2022年1月20日木曜日

思い出の人?

稀に際立った印象を自分に残す人物がいる。 自分が興味を持っている分野に通じた人ではないし、自分にとって特に必要な人でもなく、ただほんの数秒言葉を交わしただけの相手なのに、その数秒の会話でその後長年忘れられない印象を残すような人。

確か2003年頃、住んでいたアパート近くのセブンイレブンに安田さんと云う店員がいた。当時自分は40歳くらいで安田さんは多分20歳前後の女性なんだけど、太って大柄で顔は浅黒く髪はあまり手入れされていない金髪で、腫れぼったい一重まぶたの眼光が異様に鋭く、いつも太々しい薄笑いを口元に浮かべているような人だった。簡単に云うとヤンキーの親玉タイプ。他の店員もヤンキータイプ数名で皆安田さんの子分のような働きぶり。安田さんの目配せだけで皆が動いているのが分かるので。だが無論店長ではない。店長はしょぼくれた感じの還暦くらいのおじさんだった。

自分は毎日のようにミネラルウォーターや菓子パンを買いに行っていたのだけど、ある時からなぜか安田さんに妙な営業トークを投げられるようになる。「今日から恵方巻き発売になってるんですけど一本いかがですか〜??」と薄笑いを浮かべながら眼光鋭く訊ねられる、でも「いや、今日はいいです、、」と毎回断っていた。春頃から続いた営業トークに慣れて来た梅雨頃にまたトーク。「お中元用に水羊羹の詰め合わせが入荷しました!いかがでしょうか〜??」「いや、お中元送る習慣ないので、、」「いえいえ、最近は自分に送るってのもアリなんでっ!!どうですかぁ〜〜??」としつこい。相変わらず腫れぼったい目は眼光鋭く口元はニヤニヤしている。「いや〜、羊羹苦手なんで、、」と云ってそそくさと店を出た。

帰って家人にその顛末を報告すると「完璧になめられてるわね」とあっさり云われ、やっぱりそうか、と得心。40歳のおっさんがなんで20歳前後の太ったヤンキーになめられてるんだろう?と不思議に思った家人も「安田さん」を確認しに行った後、「あれは全く敵わないからもし嫌なら違うコンビニに行った方がいいよ」と云われセブンイレブンにはしばらく行かなくなったら、1年後にその店は潰れた。そうか安田さんはカモを見つけては店の存続の為にがんばっていたのだろうか?いや、でもな、自分にお中元送るのは無いだろう?やはり。

今でもたまに思い出す安田さん。もう40歳近いだろう、当時の自分と同じくらいかも知れない。強烈な印象を残した人だった。会いたくはない。 




 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Because you choose, a memory exists.
思い出はあなたが選択したから存在する。

 

話は変わって、大阪 noji+でのイラスト展がおかげさまで無事終了しました。足を運んでくださった皆さん、気に留めてくださった皆さん、お世話になった皆さん、どうもありがとうございました。