2020年3月29日日曜日

時が経って得られるもの

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐ為、なるべく外出しないように、なるべく人に会わないようにと云われている。万年引き籠りの自分はあまり変化のない生活だけど、閉塞感や危機感は感じている。でも世の中に不機嫌が蔓延している時に、更に不機嫌を撒き散らすのは避けたい。感染を拡げないために自分に出来る事をシンプルに考えたい。

まずは自分が企画している今後のライブの中止延期について。規模の大小は関係なく、誰もが自分事として向き合わなくてはならないと思うので。でももちろんなるべく中止したくない。自分も色々考えて準備している事だし、関わってくれている人達も同様だから。まだ決められていないけど、この状況が続く、もしくは悪くなるようであれば中止せざるを得ないと思う。1日も早く事態が終息する事を願ってやみません。

話は変わって何の脈絡もないけど少し思い出話。自分の様に特に音楽を学んだわけでもなく、ただ好きでやり始めて、そのうち小さな店で演奏するようになった、みたいな人達なら分かる話だと思うけど、やり始めた時期に何かしら縁があってお世話になったり、影響を受けたりした音楽家の人達って、音楽を続けて行く限り付いて回る。こんな云い方をするとよくない事みたいだけどそうじゃなくて、ただそう思う。「仲間意識」とか「孤高」とか、そんなつまらない話じゃなくて、単純に「縁が生じる」人や場所と、そうではないものが、きっと誰にでもあると云う事。

僕がsakanaを結成して都内のライブハウス等で活動を始めたのは1984年。デモテープのカセットを持ち込んでなんとか出させてもらうのだけど、毎月お客さんは知り合いが2~3人の状況が続く。そしてその頃好きで度々ライブに足を運んでいたバンドでドラムを担当していた人と顔見知りになり、その人が「最近別のバンドに参加していてギターを探してるんだけど」と連絡をもらって、The GODと云うバンドに参加する事になる。1985年〜1989年の4年間活動を共にして、その間に随分たくさんのバンドをやっている人達と知り合い、それが後のsakanaの活動に繋がったと思う。具体的には割礼など。

sakanaが都内の様々な店で演奏する機会が得られたのも、アルバムを何枚も作る機会が得られたのも、元々のきっかけはThe GODに参加した事だったわけ。

だから現在は誰も気に留めてなんかいないと思うけど、自分は勝手にずっと感謝し続けている。近年は付き合いは全くないけれど、今も何処かで彼等が演奏を続けていると知るとなんだか頼もしいような気持ちになるのだね。